第2章 秘密の場所
"なぎ"が屋上に来るのは気まぐれで、すでに先に来て寝ている時もあれば、後からのんびり来る時もある。
かと言えば姿を見せない日もあったりと、まるで野良猫のような人だな、と思った。
そんなある日、
ーーーあ、今日は先に来てるパターンだ。
屋上の扉を開けると、視線の先に寝ている人物を見つけた。
私はいつものように少し離れた場所に腰を下ろし、本を読み始める。
ペラペラと何ページが読み進めたところで
「うーーーん。」と声が聞こえた。
振り向くと、眠そうに欠伸をしながら身体を伸ばす"なぎ"と目が合った。
「あれ、来てたんだ。もう昼?」
『もう昼、って……いつから寝てるんですか…?』
「ん〜、、体育の授業で着替えんの面倒臭くてサボってからだから…3時限目かな。」
『へ、へぇ、、、』
着替えが面倒臭いからサボるんだ…と苦笑いを浮かべる。
そしていつものようにおにぎりを1つ手渡した。
『代わり映えしないですけど、、どーぞ。』
「ん、ありがと。」
いつものやり取り。
そしていつもの様におにぎりを食べようとしたところで、
ガチャッ
扉が開く音が聞こえた。
私と"なぎ"の視線が同時に扉の方へと向けられ、
『えーーーーー、、』
そこに現れた人物に驚き、目を見開いた。