第19章 看病してくれるのは…?
『凛さん……?』
「・・・・。」
名前を呼ばれ振り向いた凛さんは、私と目が合うなり眉を顰めた。
『・・・こんな時間にどうかしました?』
「別に…。」
素っ気なく返され、またすぐに背を向けられてしまった。
けど、ほんの一瞬だけ見えた顔に血が滲んでいたのを私は見逃さなかった。
ーーーー口元、怪我してた…⁇
私は部屋の中へと足を踏み入れ、持っていた薬やシートを適当な所に置くと、凛さんの前へと回り込み顔を覗いた。
『・・・それ、、どうしたんですか…?』
口の端は切れ血が滲み、頬も赤く腫れている。
痛々しい傷を目の当たりにし、私は顔を歪めた。
「大した事ない。いちいち騒ぐな。」
凛さんは私を一瞥すると、消毒液を含ませた綿を口の端に当て手際良く手当を始めた。
『・・・そう、、ですか…。』
確かに酷い怪我ではないけれど、あれって多分誰かに殴られた感じの怪我だよね、、、。
凛さんを殴るなんて…一体誰が、、?
でも凛さんの性格からして一方的に殴られたって事は考えづらい。。。
相手が誰だか分からないけど、その人は大丈夫なのかな……。
気になるけど……凛さんからは喋りかけるなオーラがダダ漏れていてとても聞ける雰囲気じゃない。