第19章 看病してくれるのは…?
とりあえず自分の用はとっくに済んだけど、何となく出て行く気になれず……
サポーターの在庫をチェックするフリをしながら凛さんをチラ見していた。
手当してあげたいんだけど、、、
もどかしいな…。
すると早くも手当てを終えたのか、凛さんが片付けを始めたのだけれどーーーー
その顔を見た私は思わず手が止まった。
え?ちょっと待って、、絆創膏の貼り方が…。
鏡を見ずに貼ったせいで絆創膏の位置が微妙にズレてしまっていた。
傷口、出ちゃってるし…。
しかも頬は何も手当てしてないんじゃ…⁇
手当てしなくてもせめて冷やすとかした方が腫れは引くと思うんだけどな……。
そんな事を考えているうちに、チラ見どころか前のめり気味に凛さんに視線を向けていた。
そんな私の視線に気付かない訳もなく…。
「・・・うるせー。」
『ぇえっ⁈な、、何も言ってませんけど⁇』
「さっきから何か言いたそうな顔でジロジロ見てきやがって…。」
やっぱりバレてた…‼︎
ジトッとした鋭い目で睨まれ肩を窄める。
『す、すいません…。』
凛さんはフンッと鼻を鳴らし救急セットの蓋をバタンと閉めた。
「病み上がりなんだろうが。
他人の心配なんてしてねーでさっさと休め。」
『ーーーーえ?』
凛さんの言葉にぱちぱちと目を瞬かせる。
あれ、、、?
何で私が病み上がりって知ってるんだろう…?
不思議に思ってると、凛さんはバツが悪そうに口元を片手で覆った。
「・・・アイツが、、潔達が部屋で騒いでたんだよ…。」
ぶっきらぼうに呟くと、もう話は終わりだと言うように背を向けてしまった。
ーーーもしかして凛さん、私の身体気遣ってくれたのかな、、、。
『まっ、、待って下さいっ、、!』
そのまま部屋を出て行こうとする凛さんを見て、慌てて声を掛けた。
ポケットに手を入れ、不機嫌そうな表情で振り向く姿は相変わらず怖いけどーーーー
根は優しい人なのかもしれない。
きっと不器用な人なんだ。