第19章 看病してくれるのは…?
が熱を出したと聞いた時、考えるよりも先に身体が動いた。
黙って部屋を出て行こうとする俺を止めたのはお嬢だった。
「凪、今は薬飲んで寝てるからそっとしといてやって。」
口答えはさせない、と言わんばかりの強気な眼差しにその場はとりあえず頷いた。
お嬢の言う事は最もだと思う。
寝てるなら寝かせてあげるのが1番良いんだろうし。
ーーーーーでも。
そう思う反面、自分は側で看病したんだろ?と考えるとモヤモヤした"例の感情"が湧き上がってきた。
この感情を消す方法を俺は一つしか知らない。
ーーーだからごめん、お嬢。
俺、行くわ。
心の中で呟きそっと部屋を出た。