第19章 看病してくれるのは…?
部屋に着くと千切さんはそのままベッドへ私を寝かし甲斐甲斐しく布団を掛けてくれた。
『何から何まで、、、すいません…。』
「いいって。の世話を焼くなんてかなりレアだし?」
千切さんはベッド脇に腰掛けるとニッと口の端を持ち上げて笑った。
ーーーー今、そのパーフェクトな顔はズルい…。
自分はきっと髪はボサボサだし、熱で顔は火照り、じんわりと汗だってかいている。
今更ながらこんな姿を晒してる事が恥ずかしくなり、布団を鼻先まで持ち上げた。
『・・・・千切さん、まだご飯食べてないし、、、もう大丈夫ですから……その、、、ありがとうございました…。』
追い返してしまうようで申し訳ない気もするけれど、さすがにこれ以上一緒にいたら本当に移してしまいそうだ。
「あー、はいはい。
が寝たら戻るよ。
俺の事は気にしなくていいから、休めって。」
千切さんは腕を伸ばすと私のおでこにそっと手を置いた。
「ーーほら、おやすみ?」
優しく目を細める千切さん。
そんな顔で見つめられたら緊張して寝れないよ………
『・・・あの…そんなに見られたら…寝れないです…。』
「じゃあ子守唄でも歌う?」
『い、いえ…大丈夫です…。』
「なら昔話でもする?
日本のやつと海外もの、どっちが良い?」
『・・・・やっぱり何だか眠くなってきたかもです……。』
「オススメは海外ものなんだけどなぁ…残念。じゃあまた今度な?」
『ふふっ、、今度っていつですか。
そんなにしょっちゅう寝込みませんよ?』
「それもそうか(笑)」
静かな部屋に2人の笑い声が響く。
そんな他愛のないやり取りと、ひんやりとした千切さんの手があまりに心地良くてーーー
何だか本当に眠くなってきた、、、
手が冷たい人は心が温かいって聞いた事あるけど、まさに千切さんはその通りだなーーーー
ウトウトとそんな事を考えながらーーー
私は目を閉じた。