第19章 看病してくれるのは…?
千切side
「ーーーー寝た、か。」
スースー…と規則正しい寝息が聴こえホッと肩を撫で下ろす。
薬は飲んだみたいだから少し休めば熱は下がるだろうけど…。
ーーーそれにしても辛そうだな。
汗が滲み、額に張り付いた前髪をそっとサイドに流してやる。
キャパオーバーだろう…。
慣れない場所で毎日気を張って、特にここ数日は俺ら選手の為に睡眠時間を削って頑張ってくれていたのか目の下に隈が出来ていた。
「ーーーーそれとも國神が脱落したのがそんなにショックだった、、とか?」
艶のある黒髪を指で梳きながら独りごちる。
具合が悪かったとは言え、國神が脱落した事を面と向かって話題にする事が出来なかった…。
にとって國神の存在がどれ程大きかったのか、知るのが怖かったんだ。
「俺も大概臆病だな…。」
自嘲気味な笑みを浮かべの寝顔を見つめる。
俺は國神みたいに正義のヒーローにはなれないけど、好きな相手ぐらいは守ってやれるから……
「この先、辛い時は俺を頼れよ…?」
露わになったおでこに唇を寄せ、小さく口付けた。
「ーーーおやすみ。」