第19章 看病してくれるのは…?
『あ、あの、、、風邪を引いてしまったみたいなのであまり近づかないで下さい…すぐに部屋、戻りますから…』
蚊の鳴くような声で制止するも、千切さんはお構いなしに私の隣にしゃがみ込むと徐に腕を伸ばしてきた。
ピクッ
千切さんのヒンヤリとした手が私のオデコに当てられ、肩が震える。
「うわ、アッツ…。相当辛いだろ、コレ。」
心配そうに顔を覗き込んできた千切さんと至近距離で目が合い、熱かった顔がさらに熱を増す。
『ーーー千切さん…あの、、移すといけないので、、、』
やんわりと距離を取ろうと身を引くけれど、千切さんはそんな私の行動を見透してたかのようにガシッと手首を掴んだ。
「とりあえずは俺が部屋まで送る。
ーーー背中、乗って?」
千切さんは私の目の前に跪くと背中を向けた。
『ーーーー背中って、、え?まさか、、』
「部屋までおぶってく。」
さも当たり前のように言ってのける千切さんに場が静まる。
・・・嘘でしょ、、、?
あれ程熱かった顔から一気に熱が引いていく。
千切さんにおんぶしてもらうとか恥ずかし過ぎる…‼︎
それなら這ってでも自力で戻るし‼︎