第18章 三次選考 ノルマ
「君、可愛いね。を英語で言うと?」
『えっ?えーっと…you're cute です。』
「じゃあ今度デートしよ?を英語で言うと?」
『let's date next time。ですかね?』
「うん、なるほど。じゃあガールフレンドになって?は?」
『んー…色んな言い方が出来ますけど、
Will you be を使うパターンとか、、』
バタンッ
乙夜さんと英語のやり取りをしていると、自主学習をしていた烏さんが急にテキストを閉じ、天を仰ぐ仕草を見せた。
ーーー烏さん?
すると私の隣ではクックッ…と雪宮さんが肩を震わせ笑いを堪えている。
どうかしたのかと首を傾けると、
「いやいやちゃんどんだけ真面目ちゃんなんや!
乙夜、お前何を口説いとんねん‼︎」
「英語で責めたらイケるかなって。」
「イケないわボケッ‼︎」
「てか本人、口説かれてる自覚ないみたいだけど(笑)?」
「あ、やっぱし?そんな気はしてた。」
呆れた様子の烏さんに困ったように笑う雪宮さん。
・・・なんか私、笑われてる?
え?もしかして………
ハッとしたように烏さんに視線を向けると、「ようやく気づいたんか。」と肩を窄めた。
そう、どうやら私は乙夜さんに勉強と称して口説かれていたらしい。
「・・・ちゃん。」
『はい?』
振り向くと乙夜さんがぐっと顔を近づけて来て、あまりの近さに思わず目を見開いた。
「ーーキスしていい?は何て言うの?」