第18章 三次選考 ノルマ
「あの、さん、ちょっとここ教えてもらえますか?」
自主学習をしていた清羅さんが立ち上がりテキストを見せてきた。
『ーーはい。えっとこれはーーー、』
反対側に座る清羅さんの元へと行こうと立ち上がろうとした時、凪に腕を掴まれ"座ってて?"と目で合図された。
ーーーー?
とりあえずその場に座り直すと、凪は清羅さんのテキストを覗き込みながら、
「そこはさ、前のページに例文のってるよね?
相手に聞かれた事を聞き返す時はHow about you?で良いんだよ。
同じ質問を繰り返すよりその方が会話、スムーズでしょ。」
「あー、なるほど。」
清羅さんは納得した様子で頷くと、再びイヤフォンを装着し自主学習へと戻る。
それを隣で聞いていた斬鉄さんは目を瞬かせると、
「凪、お前……賢いな。俺にも教えてくれ。」
クイッと眼鏡を上げながら身を乗り出してきた。