第18章 三次選考 ノルマ
そして斬鉄さんのいるチームの部屋の前へと辿り着いたのだけれど、、、
ドアをノックしようとしたところで手が止まった。
このチーム、メンバー的にちょっと緊張するんだよなぁ……。
よりによってあの2人が一緒とか、偶然にしては出来過ぎなんじゃ。。。
斬鉄さんだけに集中すれば良い話なんだけど、同じ空間にいる以上そうもいかないし…。
うーー…。
緊張と不安でさっきまでの意気込みはすっかり萎んでしまった。
『〜〜〜っ‼︎ダメダメっ‼︎これは仕事‼︎これは仕事……』
ぶつぶつと自分に言い聞かせるように唱えていると、
ガチャ
突然ドアが開き、心臓が跳ね上がる。
「・・何か声聞こえると思ったらじゃん。こんなトコで何してんの?」
ドアの隙間から千切さんが顔を出した。
『おっ、お疲れ様です!
語学学習のサポートに来ました…。』
慌てて頭を下げて挨拶をすると、頭上で笑いが漏れた。
「フッ、何でそんな畏まってんの?それなら突っ立ってないで早く入んなよ。」
『は、はい…。じゃあ失礼します。』
引き攣った笑みを貼り付けると、千切さんは
「センセー、宜しくね?」
と首を少し傾けて妖艶な笑みを浮かべた。
その相変わらず綺麗な顔立ちに心臓が早鐘を打つ。
『〜〜〜っ//』
意識しないようにしてたのにーー‼︎
あの衝撃の告白からまともに話すのは初めてだった。
顔が赤くなった私を見て千切さんはスッと口角を上げると私の耳元に顔を近づけ、
「良かった…ちゃんと俺の事意識してくれて。」
と甘く囁いた。
『ちょっ、、千切さんっ//⁈』
眉を八の字に下げ抵抗するべく睨み上げるけど、本人は全く気にも留めずに「来たよー」と中にいるメンバーに声を掛けている。