第17章 ゴッドハンド その②
乙夜さんから始まったカウンセリングはすでに15分が過ぎようとしていた。
通常であれば5分程度、長くても10分もあれば終わるのだけれど、、、
ーーー全然終わる気がしない。
何故なら……
「ちゃんの好きなタイプは?」
『・・・・よく、、わかりません…。』
「マジ?じゃ彼氏は?今いる?」
『・・・いません。あの〜…私の事は良いので…乙夜さんに質問したいのですが…。』
「そうや、お前今カウンセリング中やろ?
真面目にせぇ。」
「いやいや、俺は至って真面目だけど。
カウンセリングってまずお互いを理解し合うモンでしょ?」
『まぁ…そうかもですけど…。
ひとまず、今気になる箇所などあれば教えて頂けますか?』
「んー…。気になるとこねぇ、、、?」
乙夜さんは首を傾け考える素振りを見せる。
ーーー良かった、これで話しが元に戻ったと安心していると、
「ちゃんの部屋ってどこにあんの?
選手と同じフロアじゃないよね?」
思わずズルっと転げそうになった。
そんな私の横では烏さんは呆れたようにため息を吐いている。
こんなペースでやってたら時間がいくらあっても足りないよ〜‼︎
チラッと時計に視線を向けると消灯まで残り30分。
このままじゃカウンセリングだけで終わっちゃう‼︎
それに何だか乙夜さんにだけは部屋を教えたらイケナイ気がするっ‼︎