第16章 寝不足なのは誰のせい…?
『あ、あの、、、凪?』
目線で"離して欲しい"と訴えるけれど
当の本人は相変わらず表情一つ変えずにじっと私を見つめている。
「・・・もっと触れたいんだけど。」
『・・・・。』
いつもより少しだけ低い声が私を誘惑し、
お互いの視線が絡み合う。
時間にしたらほんの数秒だけど、この数秒の沈黙が私にとっては1分…2分に感じーーー
まるで2人だけの世界に感じた。
長い指が私の唇をなぞり、頬を滑るようにして後頭部へと回る。
そしてゆっくり頭を引き寄せられーーーー
唇が重なった。