第16章 寝不足なのは誰のせい…?
柔らかくて温かい感触に思考が停止する。
触れるだけの優しいキス。
凪の指が私の瞼を撫でーーーー
「・・・キスの時って目、閉じるもんじゃないの?」
僅かに唇を離した凪が甘く囁く。
『ーーー目、、⁇』
自分が目を見開いてる事にも気付かず全身に熱が走った。
「目、閉じて。」
『〜〜〜ッ』
声にならない声は凪の唇によって再び塞がれてしまった。
今度は角度を変えて啄むようなキスをされ、
甘い痺れが私を襲う。
ーーーー何だろう…この感じ……
バクバクと破裂しそうだった心臓が、トクン トクン…と音を変え、胸の奥がキュンと疼く。
・・・逃げようと思えば逃げれるのに……
掴まれていた腕はとっくに離されていて身動きは取れる筈なのに、私は凪のキスを受け入れていた。
「・・・もっとを感じたい。」
唇に凪の吐息がかかり、閉じていた目を開けると、ぐるりと視界が反転した。
ーーーーー⁇⁇
あっという間に上下が入れ替わり、熱を孕んだ瞳が私を見下ろしていた。