第16章 寝不足なのは誰のせい…?
そんな話をしているうちに、気付けば自分の部屋の前に着いていた。
『あ、もう降りるよ?』
けれど凪はガチャ、とドアを開け私をおぶったまま中へと入って行く。
そしてスタスタと部屋の中を進みベッドまで来ると、そっと布団の上に下ろしてくれた。
『ありがとう……って凪、どうかした?』
凪は黙ったまま、片手を首に当てながら何か考えているようだった。
「・・・・寝不足の理由って何?」
『え?』
唐突な質問に首を傾けると、ピッと顔に指を差された。
「目の下、隈出来てる。」
『ほ、ホント?あー…うん。昨日考え事してたらあんまり寝れなくて…』
へへっ、と笑って誤魔化してみるけれど、凪は納得がいかない顔で私の隣に腰を下ろした。
「玲王と何かあった?それとも千切ってやつの方?」
感情の読めない瞳にじっと見つめられ、心臓がドキッと音を立てる。
『・・・な、何で…?』
「風呂出たとこであの2人の名前聞いた時、明らかに動揺してたから。
顔、合わせずらそうにしてたし。」
あー…あの時か。。と脳内で自分を恨めしく思う。
「・・・千切、あの赤い髪の方と何かあった?」
『〜〜〜っ』
図星を突かれ口元がヒクッと引き攣る。
そんな私の反応を見た凪は、「ふーん…」とつまらなそうに呟くとゴロンと仰向けに倒れ込んだ。