第16章 寝不足なのは誰のせい…?
『ご、ごめんね、重かったでしょ?
もう自分で歩くから大丈夫だよ。』
「いーよ、あと少しだし。
俺はおぶってもらう専門だけどはトクベツ〜。」
『えっ、でもホントに、、、』
申し訳なくて身を離そうとすると、逞しい腕にガシッと抱えられた。
「ほら、動くと落ちるよ?
ちゃんと掴まってて。」
『・・・・・・じゃあ…お言葉に甘えて…。』
この様子だと降ろす気は無さそうだと感じ、素直に肩に掴まる事にした。
凪の背中から伝わってくる体温が心地良くて、肩口に顔を埋める。
『・・凪って体温低そうに見えるのに、実は温かいよね。前に手、触った時も思った。』
「んー、自分じゃよく分かんないけど。」
『筋肉量が多いからかもね。』
もともと体格に恵まれている凪だったけれど、ここ数週間でさらに筋力がアップした気がする。
「チームの時はトレーニングサボってたけど最近は真面目にやってる。
疲れてる筈なのに不思議と身体の調子は良いんだよね。」
うん、確かにチームVの時、凪はよくサボってた気がする…。
それでも実際、試合になれば周りを圧倒するようなプレーを見せていたのだからやっぱり天才と呼ばれる人は違うな…と思う。
ーーーでも、その天才的なプレーに玲王の存在は不可欠だったはず。
そこで面と向かってない今ならあの時の事を聞けるような気がしてそれとなく切り出してみた。