第15章 自覚する想い
『あ、あの〜、、、』
このまま取っ組み合いにでもなったら大変だと思い、睨み合う2人の視界に入るべく両手を広げてひらひらと動かしてみる。
けれど私の存在などまるで視界に入ってないのか、どちらも一向に視線を外さない。
え、、、待って待って、、、
この2人が喧嘩になったら止めれる自信、ないんだけど、、、⁉︎
ヒヤヒヤしながら1人そんな事を考えているとーーーー
「フッ、お前は見た目と違ってホント中身は男前だな?」
それまでの表情から一変、國神さんが笑みを漏らした。
ーーーん?あれ、、、?
状況が掴めず目を瞬かせると、今度は千切さんまで口元に手を当て表情を崩した。
「ハッ、俺の武器はスピードだかんな。
モタモタしてんのは性に合わないんだよ。
つーかいいのか?
大事に見守ってるだけじゃマジで誰かのもんになっちまうぞ?」
「ご忠告どーも。
けど俺はそんな器用なタイプじゃねーんだわ。
今はサッカーが恋人、それで良い。」
白い歯を見せ爽やかに笑う國神さんを見て、千切さんは短く息を吐き肩を竦めた。