第15章 自覚する想い
⁇⁇
突然の行動に驚き顔を上げると、
口の片端を吊り上げ妖艶に笑う千切さんと至近距離で目が合う。
「あんまりモタモタしてっと俺が横から掻っ攫うぞってハナシだよ、な??」
『・・・・・・そんな話し…した覚えは、、、』
ないですけど、、、と視線を彷徨わせる。
それより、、、千切さん〜〜!
距離が、、、近い……‼︎
頭上から振る声に、赤い髪からふわりと漂うシャンプーの香り、密着した身体……。
こんな状況で意識しない方が無理な話しで。
顔に熱が集まり身体を縮こませていると、
「が困ってんだろ、悪ノリしすぎだお嬢。」
國神さんに手を引かれ千切さんの身体から離された。
「ーーー悪ノリじゃないって言ったら?」
「なっ、、、」
2人の真剣な眼差しが交差する。
「本気か?」
「どーかな。けど熱くなりそうな気はする。」
間に立たされた私は、ピリつく空気にどうしたら良いか分からず交互に視線を送る。
試合や練習時以外は穏やかな性格の2人がこんな威圧的な表情を見せるなんて…。