第15章 自覚する想い
『・・・これまでずっと一緒にやってきた凪に置いてかれて絶望する玲王を見て、胸が痛みました…。
あんな打ちひしがれた玲王見たのは初めてだったし。
ーーーけど、それと同時に今玲王が脱落したら私もここでの生活が終わっちゃうって、、、。
まだ終わって欲しくないのにって、、、。
幼馴染が壁にぶち当たってる時に私はそんな酷い事……考えてしまったんですっ……。
玲王のサッカー人生が終わってしまうかもしれないのに……。』
私は手で顔を覆い俯いた。
「・・・・ここでの生活が終わる?」
『はい……。もともと私がここに居られる残りの期間はあと半月なんです……。
だけど御影コーポレーションの社長のコネで入った私は玲王が脱落した時点で私の契約も切れる……期間を待たずして終了になるんです……。』
それまで優しく背中を撫でていた手がピタッと止まった。
『ーーーー表向きは玲王を心配するフリをして、裏では脱落したらどうしよう、とかそんな事…考えてたんです……。』
きっと千切さんは酷いヤツだと呆れてる。
もしかしたら軽蔑されたかもしれない。
でも、、、
私がここに来たのは千切さんならこんな私を正面から叱咤してくれると思ったから……。
嫌な役回りを千切さんに押し付けてしまった私はやっぱり自分勝手で嫌なヤツだ。
自己嫌悪に陥り、下を向いたままぎゅっと目を瞑った。