第13章 二次選考
「実は明日から二次選考が始まるの。
あ、ちなみに選手達には明日の朝、絵心さんからアナウンスが入る事になってるわ。」
二次選考……⁇
いよいよ、、、始まるんだ…‼︎
一気に緊張感と期待感で胸が膨らんだ。
「そこで本来ならトレーナーの仕事はここで終わる事になってるんだけど、さんは契約終了までまだ日にちもあるし、良かったら今後は私のサポートをしてもらえないかな?と思って。」
『アンリさんのサポート…ですか?』
アンリさんは口角を上げ頷いた。
「今まではチーム戦だったけど、二次選考からは個人で戦っていく事になる。
そうなると五つの棟に分かれていた選手全員が合流する訳だからなかなか管理が大変になってくるの。」
『なるほど……。』
「さんは今まで通り、選手達のフィジカルケアやサポートは続けてもらうとして、他の時間は私と一緒に選手達のデータ管理をしてもらえないかな?」
『は、、はい。……私で良ければ。』
おずおずと頭を下げると、アンリさんの表情が緩んでいく。
「良かった〜!早く家に帰りたいって言われたらどうしようかと思ってたんだ。
ほら、ここでの生活って窮屈でしょ?大丈夫?辛くない?」
『・・・大丈夫です。けど……最初は辛いと思った事もありました。
でも選手達を見てたら毎日色々な刺激を貰って…。サポートする立場なのに励ましてもらう事もあったりして……。
私も頑張んなきゃなって。』
「そっか…なら良かった。
さん、ここに来た時よりも前向きになったし、何か今、良い顔してるよ?」
『えっ、、ほんとですか⁇』
思わず両手で顔を隠すような仕草をすると、
アンリさんは悪戯っ子のような笑みを浮かべた。