第1章 幼馴染
ーー翌日ーー
よし、もうそろそろいいかな。
腕時計の時間を確認し、窓から夕陽が差し込む図書館を後にする。
確かサッカー部の練習場ってこっち…だよね?
夕日でオレンジ色へと染まる校舎の脇を歩いて行く。
この学校に3年通うけど、まだ一度も訪れた事がない。
それぐらい私には縁のない場所だ。
放課後あまり早い時間に行くと、玲王のファンの子達がいそうだなと思い、わざと図書館で時間を潰してきた。
ーーー良かった、誰もいない。
案の定、練習場の周りには女の子達の姿は無くホッと肩を撫で下ろす。
木の影に隠れながら遠目で見ようとするけれど、周りにネットが張られていて中が見えづらい。
・・・・しょうがない、もう少しだけ近付いてみよう。