第1章 幼馴染
とくべつ。
その四文字の響きに落ち込んでいた気持ちが僅かに上がる。
『・・・・でも、つまらねー女って言われました。』
「あらあら、それは大変失礼な事を…。
けれどきっとそれはお坊ちゃまの本心ではなく、言葉のあやだと思いますよ?」
『そう、、、でしょうか…』
「お坊ちゃまを生まれた頃から世話をしている私が断言しますよ。」
自信たっぷりに微笑むばあやを見て何だか少し、安心した。
『・・・そっか。
ばあやと話せて良かった、ありがとう。』
「私もお嬢様とお話しが出来て嬉しゅうございました。」
頭を下げるばあやに別れを告げ、玄関へと足を向けると、
「お嬢様、一度お坊ちゃまがサッカーをしている姿、ご覧になってみてはいかがですか?
それはもう楽しそうにプレイしている姿が見れますよ?」
呼び止めたばあやは口元に手を当て、内緒話をするように小さな声で囁いた。
『・・・・まぁ近いうち、行ってみます。』