第10章 傷を癒すのは…
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凪と2人になり、部屋が静けさに包まれる。
玲王と谷中さんがどんなやり取りをするのか気になってベッドの上で膝を抱えた。
ソワソワと落ち着かない私を、凪はベッドの上に顔を乗せたまま見上げると、徐に口を開いた。
「・・・・がさ、あの女の事黙ってたのって玲王のため?」
『えっ⁈』
眠そうにしていた凪に突然、鋭いところを突かれ心臓が跳ねた。
凪って普段ぼーっとしてるイメージだけど時々こうやって真相を突いてきたりするよね…。
すぐに返事が出来ないでいると、凪はさらに続けた。
「玲王に自分のせいで危険な目にあったって感じて欲しくなかったからなんでしょ?」
『ーーーそ、それは、、、まぁそうなんだけど……。
でも結局玲王の事、怒らせちゃったけどね……。』
ははは、と自嘲気味に笑うと、何故か凪の顔が曇った。
「・・・なんかソレ、お互い大事に思いあってる感じがしてすげー嫌だ。つまんない。ムカつく。」
急に子供のような言葉を並べ、不機嫌丸出しになった凪は、ポスッとベッドに顔を突っ伏した。
『ちょ、凪……?』
「ーーーー。」
肩をトントンと叩き声を掛けてみるけど、反応がない。
え、、、、まさか寝てないよね⁇
凪は数秒で寝落ちするからな……、と思っているとーーーー