第10章 傷を癒すのは…
「・・・・そんなに玲王が大事?
その感情って俺がを想う気持ちと一緒?"好き"ってやつなの⁇」
凪はベッドに顔を伏せたまま聞いてきた。
普段とは違う、少し掠れた声が切なげで……。
どう応えたら良いのか困惑してしまう。
『玲王は……幼馴染だし、姉弟みたいに育ってきたから……そりゃ大事だよ?
でも、その感情が"好き"なのかは、、、正直よく分からない…。』
ボソボソと答えると、凪が急に顔を上げ真っ直ぐな瞳と視線が交わった。
「じゃあ俺は?俺の事はどう思ってる?」
『ーーー凪の事、、、?』
「傷つけられた見た時、頭ぶん殴られたような衝撃だった。
大事なもん、壊されたような感覚がして全身の血液が沸いた。
誰かを好きになるってこんな感覚なんだね……。
自分にこんな感情があるなんて知らなかった。」
凪は私の手首に付いた痣をそっと指でなぞると、
「・・・・の事、ぎゅってしたい。」
ベッドがギシッと音を立てーーー
私が返事をするより早く、凪は私の頭を自分の胸へと引き寄せた。
「・・・怖かったでしょ?
顔、見えないから泣いてもいいよ。」
『ーーーっ、、』
「もう大丈夫だから。」
柔らかい声と、凪の温もりが私の涙腺を壊していく。
『〜〜なぎ、、、』
本当はまだ怖いし、傷だって痛い。
大声で泣いて1人にしないでって誰かに縋りつきたかった……。
けど、ここはブルーロック。
選手達に迷惑は掛けられないと、気丈に振る舞うつもりで我慢してたのにーーーー
凪はそんな私の強がりに気づいてたの、、、?