第10章 傷を癒すのは…
「何でそんな顔すんの?は悪くないじゃん。
悪いのはそいつらでしょ。」
凪が首を傾ける。
『凪……。』
真っ直ぐな瞳に今にも泣き出ししうな自分の姿が映っている。
すると顎に手を当て、ずっと何かを考えるようにしていた玲王が口を開いた。
「、まだ俺らに話してない事、あんだろ?」
『え……。』
「裏で糸引いてんの、あのトレーナーなんじゃねーの?」
何でも見透かしてそうな大きな目が私を捉える。
「そもそも何であんな時間にチームWの部屋に行ったんだよ?それは誰の指示だ?」
『それは、、、、』
視線を僅かに彷徨わせたのを玲王は見逃さなかった。
「ーーーやっぱりな。
をここから追い出す為に自分に気のある男を使ったってトコか。」
「え、それマジ?最悪じゃん。」
『・・・・。』
谷中さんが裏で糸を引いてるのは分かってたけど、それは誰にも言わないつもりだった。