第10章 傷を癒すのは…
『國神さん……その、、ありがとうございました。助けてくれて……。』
「ーーーいや、俺あん時頭に血が昇っちまって……怖い思いさせて悪かった。」
頭を下げる國神さんに私は慌てて首を横に振った。
『そんなっ、、國神さんが助けに来てくれなかったら今頃ーーーっ』
言葉に詰まる私を見て、國神さんはハッとしたように目を開いた。
「わりぃ…思いださせちまったな。」
『大丈夫です……。』
すると俯く私の頬にそっと大きな手が添えられた。
「顔…腫れてる、、痛かったよな…。」
まるで自分の事のように痛々しそうに顔を歪めながら頬をそっと撫でる國神さんの姿に心臓がトクンと音を立てる。
『〜〜〜//』
千切さんとの会話の後で、そんな風に見つめられたら勘違いしちゃいそうになってしまい視線を彷徨わせる。
けど頬の痛みは温かいぬくもりに包まれると不思議と和らいだような感じがした。
その時、ふと國神さんの手が赤く腫れてる事に気付いた。
『國神さん、手……』
きっと殴った時に負ったものだ……。
拳を握った部分が痛々しい程赤くなっていた。
「ん?あぁ、こんなの大したことない。」
でも…っと声を掛けた時、千切さんがベッドの上に救急箱らしき箱をポンッと置いた。
「が目を覚ましたら手当てしようと思って部屋から持って来ておいた。
俺が2人まとめて手当てしてやるからイチャイチャすんのはその後にしてくんない?」
ヤレヤレ、と肩を竦める千切さんを見て、
私と國神さんは顔を見合わせると身を小さく縮こませた。