第10章 傷を癒すのは…
"ヒーロー"
確か前にも千切さんそんな事、言ってたな……。
「チームVの偉そーにしてた奴より、うちのヒーローの方がお似合いなんじゃねーの?」
あれって國神さんの事だったんだ…。
これで國神さんに助けて貰ったのは2回目だし、私にとっても國神さんはヒーローそのものだ。
そんな話をしていると、國神さんの肩がピクリ、と動いた。
「お?噂をすれば。」
「ーーー⁈大丈夫か⁈⁈」
起きあがったと同時、國神さんは勢いよく私の顔を覗き込んできた。
その顔は心配そうに歪められていて、胸がギュッと締め付けられる。
「國神、大丈夫だから落ち着けよ。」
「ーーーあ、わり…。」
國神さんは頭をガシガシと掻きながら床に胡座をかいた。