第2章 友達以上恋人未満
〔友人side〕
がトイレに顔を洗いに行ったのを見届ける二人の友人。
スラリと背が高いショートカットのクールビューティーな少女と、小柄でロングの髪がフワフワしていて目の大きな少女。
壁に凭れて、小柄な少女が口を開く。
「ねぇー、どー思う?」
言われ、背の高い少女が答える。
「多分、照れ隠しと見た」
「だよねー。だって、絶対斑目君の事好きだもん」
「誰がどう見たってだね。ただ、不器用っつーか、空気読めないっつーか」
「いや、アイツは単に、女心が分かんねぇバカなだけだろ」
二人の友人が話す背後から、声がして二人が素早く振り返る。
背が高くて、三つ編みの灰谷蘭が、缶コーヒーを持ちながらニヤニヤしながら立っていた。
「神出鬼没だよな、灰谷兄って」
「ねー、蘭君て、の事好きなの? ホントのとこどーなのー?」
突っ込んだ質問に、蘭は惚けた顔をして「さぁ、どうだと思う?」と言った。
「本気じゃないなら、手、出さないでね」
「そーそー、を傷つけたら、許さないから」
二人の言葉に、蘭は「女は怖いねぇー」と笑う。
「でもまぁ、斑目にはちょーっとだけ、灸を据えてやんねーとなぁー」
「それには激しく同意。女泣かせた代償は高いからね」
「私もー。どれだけ自分が幸せか、しっかり分からせなきゃ」
三人が物凄く悪い顔をしたのを、当の本人とは知らない話。
「てなわけで、これから俺がする事には、目を瞑ってくれっとうれしーねー」
「仕方あるまい」
「りょー」
波乱の幕開け、になりそうな予感がし、がトイレの鏡の前で身震いしていた。