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我が先達の航海士

第4章 船乗りの休暇


掃除用手袋をしてポストの文書類の処理。友人のアドバイス通り、処理前に証拠写真を撮って黒い袋に入れて保管。管理会社の人にも連絡し、明日ポストの方と証拠確認をして貰う予定だ。掃除終わり、部屋に着くと着信。
《はっはーー!俺だ、七海龍水だ!今は羽田空港だ!!これから飛行機に乗って行くからな!》
約一時間後。
《ここが神戸空港だな、!?初めて来たがコンパクトに機能が纏まっているな!》
約三十分後。
《フゥン、ここが神戸の街並みか。三宮とやらはなかなかに賑わっているな!普段は自家用ジェット機だが、モノレールで移動するのも悪くない。ポートアイランドの光景も美しいな!?欲しいぞ!》
「君はメリーさんかッ!?」
逐一現在地を知らせつつ、自宅に接近してくる電話をする龍水。は思わず有名な怪異を叫んだ。
《メリーさんでは無い!俺の名は七海龍水だ!!》
切れた電話。スマホを手にして立ち竦む。自宅の情報は何処から……兄だな。十中八九、このマンションに来るはずだ。
「ポストの中の掃除は終わったけど、龍水君来てる間は私も見ない方がいいかもな」
過去に捨てた分も集め、纏めて袋に入れて消臭スプレーをする。袋を二重にして段ボール内に放り、使ってない備え付けの靴箱収納の扉を開けて仕舞う。念の為シャワーも軽く浴び、身体についた匂い対策をした。髪を乾かし終えると着信。

《!今貴様の自宅の最寄り駅まで来たぞ、人が多い上に出口が多くてわからんぞ。どっちだ!!いや、船乗りのカンだとこっちだな!》
駅からはここまで徒歩十分だ。遂に来るか。さあ、来いメリーさ……じゃない、龍水君!!
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