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我が先達の航海士

第2章 First dreamers


「俺は知ってるぞ。貴様ならこの海技士の航海三級クラスの知識問題は勿論、海図から船位や所要時間、必要な情報は全て出せる!違うか!?」
「いや僕はっ!ただ姉さんの為に初回航海だけ手伝うって言っただけで!航海士として乗船は」
頼みの綱であるをSAIがちらりと見るが。は意味深げに瞼を閉じて頷くと、カッ!と目を見開いた。龍水がSAIに見せるのと同じ、何処となく気の抜ける謎笑顔。

「SAI君。人間やらねばならない時がある!」
「そんなっ!?姉さーーーん!」
から見捨てられた事にSAIが叫ぶが、すかさず龍水から怒号が飛ぶ。
「SAI。試験の説明中に声を出すな!」
尤もらしいようでそうでも無さげな注意。皆が見守る中、は試験時間を黒板にカッカッと記載した。

《1日目 8月12日 航海:10:00〜13:00
昼休憩 13:10〜14:10
法規:14:30〜17:00
2日目 8月13日 運用:10:00〜13:00》

書き終わったが振り返り、場を見渡した。ざわめく会場の受験生達が落ち着く。例外で足をガタガタさせているSAIをスルーし、は声を張る。
「では『航海』分野の試験を始めます。制限時間は三時間。始め!!」
波乱の中、最初の航海の試験がムリヤリ始まった。
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