第7章 *戻ってきた仲間
大地side
幸せな時間とはあっという間に過ぎるもので
気が付けば次が自分たちの降りる駅になってしまった
可愛い寝顔をずっとみていたかったけど、仕方なく起こす事にする
何度か声を掛けるもぐっすりと寝ているのか目を覚ます気配がない
「花澄!そろそろ着くぞ!」
顔を近づけて少し大きな声をだすと目の前でパッと開く大きな目
『わ!ありがとう!』
バッと立ち上がるもんだからバランスを崩して倒れそうになるから慌てて支える
危なっかしいという理由と、繋いだ手をまだ離したく無いという理由で手を繋いだまま電車をおりる
ふと隣を見ると申し訳なさそうにしゅんとしながら謝ってくるからつい笑ってしまう
俺はお前のそんなところも大好きなんだよ
危なっかしくて、いっつも守ってあげたいって思ってるんだよ?
どんくさいところも可愛くて俺がずっと世話をしてあげたいなんて思ってる
「さ、帰るべ?今日ちょっとだけ話したい事あるからなおん家寄っていいか?」
『うん!いいよ〜!お兄ちゃん今出張中でいないし!』
今日一日考えていたことをどう伝えるべきか真剣に考えていると
花澄がぴょこぴょことスキップをしながらこちらを振り向く
『わーい!大地がお家に遊びに来てくれるの久しぶりだね!』
だから‥どれだけ俺の心を鷲掴みにするんだよ‥
その後も2人で話しながら帰っているとあっという間に花澄の家に着く
「お邪魔します!」と頭を下げて入っていく
『リビングで何か食べる?』
と言ってくれたけど、早く話がしたくて花澄の部屋へ向かう
床に座って入れてもらったお茶を飲む
どう切り出そうか‥と悩んでいると先に花澄が口を開く
『そういえば大地、何かお話しあるって言ってたよね?』
なにも気にしてなさそうな無邪気な顔
「これ、何してたんだ?」
俺が今日一日モヤモヤしてしまった原因の写真をみせる
俺の少しピリッとした空気を感じ取ったのか
少し真剣な顔をしてテーブルから身を乗り出して携帯の画面を覗き込んでくる
するとパッと明るい顔になり
『これはね!菅原さんだよ!雷がなって怖かったの!』
スガならセーフと思っているのか‥そこも問題なんだけどな‥そもそも男に抱きつくってところが問題なんだよな。