第7章 *戻ってきた仲間
「っ‥‥じゃあまたね!」
電話口の向こうで及川さんが息を呑む音が聞こえた
『はっはいっ!ではまたっ!』
変な声ばっかりだしちゃったから変な人だと思われちゃったかな?
耳元がまだ余韻でじんじんとしていて
大地の手もまだ胸の下に添えられたままだった
「よく出来ました」
いつもの優しい顔の大地に戻った
「恥ずかしかったよな?もし次約束破ったらもっと恥ずかしい事されちゃうから気をつけるんだぞ?」
『ぅ‥うんっ!気をつける!』
コクリコクリと頷くと大地がいつもの笑顔になってホッとする
大地は怒ったら怖いけれど、意地悪な顔した大地も大変だと今日初めて知った
お仕置きされないように気をつけなきゃ!
キャミソールを戻して、制服のボタンをひとつひとつとめていると
急に話しかけられる
「んで‥及川は何の用事だったんだ?」
『及川さん?えっと、何だか及川さんのお母さんとお姉ちゃんが私に会いたいって言ってくれてるみたいで‥今度お家にきて欲しいって!』
ありのままを答えると 大地がうーん‥と考え込んでしまう
「男の家に行かせたくないけど‥お母さんとお姉さんが言ってるならしかたないか‥」
ぶつぶつと何か話した後で私の両肩をぐっと持って私の目を見据える
「何かされそうになったらすぐ逃げなさいよ?それかすぐ俺に電話する事!分かった?」
何かって何だろうと思ったけど分からないって言ったらまたお仕置きされそうで分かったフリをする
『うん!分かった!』
「よし!じゃあ俺そろそろ帰るわ!」
カバンを持って立ち上がる
『はーい!じゃあ玄関まで送って行くね!』
「サンキュ」
またくしゃっと頭を撫でられる
『気をつけて帰ってね?』
玄関まで送って行って声を掛ける
「おう!まぁすぐそこだけどな!じゃあまた明日な!約束‥ちゃんと守るんだぞ?」
そう言うとさっきのちょっと意地悪な顔した大地がニヤリと笑うから
思い出して身体がビクッとする
『うっうん!じゃあまた明日ね!』
パタンと玄関の扉が閉まると同時に床にへたり込む
ドキドキとして顔が熱くなる
今日は初めて見る大地にビックリしちゃった
さっきもとってもとっても恥ずかしかったのに‥これ以上恥ずかしい事ってなに‥?
とりあえず気をつけなきゃ!