第7章 *戻ってきた仲間
『もしもし‥?』
恐る恐る電話にでる
胸元ははだけたままで
私の上には大地が跨ったまま腕組みをしている
こんな状態でまともに電話出来るだろうか?
そんなこちらの様子を全く知らない及川さんの明るい声が聞こえる
「もしもーし!花澄ちゃん元気?!こんな時間にごめんね!部活終わるの遅くなってさ〜花澄ちゃんはちゃんと家についた?!」
相変わらずの及川さんの勢いに自分の状況を一瞬忘れてふふっと笑ってしまう
『及川さんはお元気ですね?私も元気ですし、ちゃんとお家にも帰ってきましたよ?』
「そっかーなら良かった!疲れたらどうしても花澄ちゃんの声が聞きたくなってさ〜」
普通にお話し出来そう!と思った時だった
『ひゃあっ!』
大地の大きくてあったかい手がいきなり私の腰のラインに添えられる
直に触られて変な声がでてしまった
「ん?花澄ちゃんどうしたの?大丈夫?」
腰に添えられていた手がするりとゆっくり這い上がってくる
『んっ‥ぁ‥だいじょうぶ‥ですっ』
くすぐったいような
なんだか気持ちがいいような初めての感覚にぴくりと腰がういてしまう
「へっ‥?!な、な、な、なにその声?!もしかして1人じゃなかったっ?!」
急に及川さんが取り乱したように聞いて来るから
大地の事を見上げると首を横に振っている
言ったらダメって事なのかな?
『1人ですっ‥すみません!』
大地の両手が私の胸の下で止まる
あと少し動いたら触れてしまいそうでドキドキする
「そっか‥!ならいいんだけど、ちょっとドキドキしちゃった!
それで本題なんだけどさ‥うちの母ちゃんと姉ちゃんが花澄ちゃんに会ってみたいって煩くてさ‥良かったら今度うちに遊びに来てくんない?」
大地の手が止まっているから
ドキドキするけど普通に話せるようになる
『そうなんですかっ!嬉しいです!ぜひお願いします!!』
「まじっ?!やったー!!ありがと花澄ちゃん!じゃあまたメールするね?!」
『はいっ!お願いしますっ!』
そのまま電話が終わりそうで気を抜いていた時だった
いきなり大地が前屈みになって 私の耳元にチュッと唇が触れる
『んっぁ‥』
何だか変なかんじっ‥生理的に涙がじわっと滲み出す