第7章 *戻ってきた仲間
『これはね!菅原さんだよ!雷がなって怖かったの!』
特に悪い事をした覚えもないのであったことをそのまま伝える
『そういえばね!知らない三年生の人から連絡先聞かれたんだけど、大地に言われた事思い出してちゃんと教えなかったよ?偉い?』
てっきり褒めてもらえるもんだと思って身を乗り出したままニコっと大地の顔を見ると思っていた反応と違って首を傾げる
『大地‥?怒ってる‥?』
不安になって下から覗き込むと大地が大きく溜息をつく
「はぁ〜‥そうだな‥連絡先は偉かったな!」
でも‥と大地が続ける
「誰にでも抱き付くのはいただけないな?」
『誰にでもじゃないよ‥?菅原さんだよ?』
あれ?さっき言ったのに聞こえてなかったのかな?不思議そうに大地を見つめていると急に大地に抱きしめられる
『わっ!ビックリした!大地?どうしたの‥?』
私から抱きつくことはあっても大地から抱きしめて来ることは今までなかったはず
「スガだから嫌なんだよ‥友達にまで嫉妬する俺って格好悪いよな」
耳元で大地がぼそぼそと話すからなんだか耳がくすぐったい
『なんで‥嫌なの?嫉妬ってなに‥?大地はかっこ悪くなんかないよ!とーってもかっこいいよ!』
なんだか元気がなさそうな声に聞こえたから私もギュッと抱きしめ返す
「もう少しだけ‥こうしててもいいか?」
また耳元に大地の吐息がかかるからくすぐったくて身をよじる
『ふっ‥ぅんっ‥もちろんっ』
「ん?花澄はもしかして耳が弱いのか?」
大地がさらに私の耳元に近付いて話すから全身がびくりと揺れる
『んっ‥なんだかっ くすぐったい‥』
「へ〜いい事知ったわ」
そう言うと私の耳に唇が触れる距離で大地が囁く
「次、俺以外のやつに抱きついたらお仕置き‥な?」
耳に直接流れ込んでくる大地の低い声
耳に触れる唇と吐息に身体がさらに反応してしまう
『お仕置きって‥なにっ?』
なんとか聞き返すとやっと耳元から大地が離れていって正面からみつめられる
「花澄 耳真っ赤だな?かわいい」
今まで見た事の無い
少し意地悪っぽい顔をした大地がフッと笑って
そして私の耳を大きな手で触りながら答える
「お仕置き‥知りたい?」
敏感になっていた耳を触られて身体がまたビクンと跳ねる