第7章 *戻ってきた仲間
「ろ‥ぞ!‥」
なんか‥声が聞こえる気がする
まどろむ意識の中で考えているとどんどんと意識がはっきりしてくる
「花澄!!そろそろ着くぞ!」
ハッと目を開けると目の前に大地の顔があってビックリする
『わ!ありがとう!』
急いで立ちあがろうとすると、寝起きだったからか
フラっと倒れそうになる
「おっっと‥大丈夫か?」
慌てて大地が支えてくれて
そのまま手を繋いで電車から降りる
『ごめんね!いつも有難う?』
申し訳なくなって謝ると大地が笑いながら答える
「花澄がどんくさいのは昔からだしな!もっと俺の事頼ってくれてもいいんだぞ?」
『大地‥ありがと!』
嬉しくてギュッと抱き付くと大地がはいはいと優しく頭を撫でてくれる
「さ、帰るべ?今日ちょっとだけ話したい事あるから花澄ん家寄っていいか?」
『うん!いいよ〜!お兄ちゃん今出張中でいないし!』
家で1人でいる事には相変わらず慣れなくて、夜に1人はもっと寂しい
大地が来てくれる事が嬉しくて自然にスキップしながら後ろにいる大地に話しかける
『わーい!大地がお家に遊びに来てくれるの久しぶりだね!』
「おいおい!前みなさい!スキップして転びなさんなよ?!」
やれやれと後ろから大地が付いてきてくれる
暗い夜道を2人でお話ししながら帰っているとあっという間にお家に着く
『どうぞ!』
ドアを開けると大地が「お邪魔します!」と頭を下げて入っていく
『リビングで何か食べる?』お茶を入れながら大地に聞く
「うーん‥花澄の部屋行っていいか?」
『うん!もちろん!お部屋行こっか!』
トレイにお茶を入れて運ぼうとすると大地がさらりと持ってくれる
大地のこういうところも好きだな
お部屋について2人で床に座ってお茶を飲む
『そういえば大地、何かお話しあるって言ってたよね??』
そう問いかけると大地がゴソゴソとカバンの中から携帯を取り出して
携帯の画面を私にみせる
「これ何してたんだ?」
テーブルに手をついて身を乗り出して携帯の画面を覗き込むと
菅原さんに抱き付く私の姿がうつっていた
大地が少し怒っているような声だったので何か悪い事しちゃったかなと緊張したけれど写真をみてホッと安心する