第7章 *戻ってきた仲間
東峰さんに2人を紹介する
「おお!一年かあ!」
「「ちわっす!」」
影山君達が挨拶すると「おース」と旭さんが返事する
東峰さんが日向君に「がんばれよ」とポンとタッチすると日向君が不思議そうな顔をして見上げる
「えっ 一緒に頑張らないんですかっ?」
その後無邪気な顔になった日向君が続ける
「おれ エースになりたいから 本物のエースナマでみたいです!」
『そうだよねっ‥東峰さん、すっごいんだよ!烏野のエース‥日向君達にもみせてあげたいなぁ』
東峰さんは一旦言葉に詰まった後で
小さな声で話して去って行ってしまう
「‥悪い‥俺はエースじゃないよ」
その場に残された影山君と日向君は頭にはてなを浮かべている
東峰さんの最後の一言がどうしても引っかかって追いかける
『スガさんっ私もう少し話してみます!影山君、日向くん!また部活でね!』
「「おすっ!」」
慌てて東峰さんを追いかける
『東峰さんっ』
「花澄ちゃん‥いくら花澄ちゃんに頼まれても俺‥『足引っ張るなんて‥そんな事言わないでくださいっ‥誰がなんと言おうと烏野のエースは東峰さんですっ!』
話しながらまたポロポロと涙が溢れでてしまう
東峰さんが部活に来なくなるきっかけになった試合はもちろん私もみている
1人で責任を感じてしまう東峰さんをみて悔しい思いをしたのは私1人だけじゃなかったはず
今度こそ1人で悩ませたくない、もう一度戻って来てほしい
そう思うと涙を止めようと思っても溢れ出てしまう
「そっそんなに泣かないでお願い‥俺本当に花澄ちゃんに泣かれたらどうしたらいいかわかんないんだよ〜」
あたふたと東峰さんが自分のセーターの袖で私の涙を拭ってくれる
「おーい!旭ー!何可愛い子泣かせてんだよ?!」
「なっ?!泣かせてないよ!いや‥泣かせてるの俺か?!」
周りからの言葉にオロオロとし始める東峰さん
『ごっごめんなさい‥泣くつもりじゃ無かったんです‥東峰さんを頼りすぎてた事皆んな後悔してました‥東峰さんの為にも皆んなの為にももう一回戻ってきてもらえませんか?』
『無理にとはいいません‥東峰さんが良かったら‥』
これ以上困らせる訳にもいかないのでペコっと頭を下げてその場を去る