第7章 *戻ってきた仲間
菅原side
必死で話を続ける
「西谷もお前もまた戻ってきて そこに新しい戦略も加わったら 烏野はもう「落ちた強豪」なんかじゃなくなる‥!」
旭はまだ下を向いたままだ
「その為には大黒柱のエースがっ‥!」
「悪い‥スガ‥花澄ちゃんもせっかくきてくれたのに‥ごめん」
俺が話しきる前に旭が首を左右に振りながら俺たちの横を擦り抜けて行ってしまった
まだ諦めるわけには‥
旭を追い掛けようと振り向いた時に外がピカっと光る
ゴロゴロ‥
「!キャー!雷!」
外からも悲鳴が聞こえた時
ギュッと後ろから花澄ちゃんが抱きついて来る
『スガさんっ‥雷‥っ』
そうだった‥花澄ちゃん雷 大の苦手なんだっけ
カシャカシャと周りからシャッター音が聞こえる
俺の友達がヒューヒューと言いながらひやかしてくる
「お前ら!写メとるんじゃないよ!」
こんなとこ大地に見られたらなんて言われるか‥
花澄ちゃんが密着していてただでさえドキドキするのに
背中に柔らかいものが当たってる
嬉しいけど‥これ以上は俺もやばい気がする
俺の前で組まれた手をそっと解いて向かい合う
濡れたまつ毛と涙で潤んだ目で見上げられると心臓がまたドキドキと騒ぎ出す
「雷 きっとすぐおさまるから大丈夫だべ?俺もついてるし!な??」
花澄ちゃんのほっぺたを両手でギュッとはさむ
柔らかいほっぺをふにふにとしているとくすぐったかったのか花澄ちゃんが笑う
『はいっ‥でもやっぱり怖いので‥もしまた鳴ったら手‥繋いでもいいですか‥?』
ズキュンと心臓を撃ち抜かれる
鳴らなくても繋ぎたいし
ちょっと不謹慎にももう一回雷ならないかな?とか考えてしまう
『あれ‥?影山君と日向くんだ!』
急に花澄ちゃんが走り出す
ん?影山と日向?
振り向くと影山と日向が旭の前に立っている
「お前ら こんなとこでなにしてんの?」
花澄ちゃんを追いかけて影山達の方へ小走りで駆けつける
「花澄さんっっ あっ えっと!」
日向が顔を真っ赤にしながら口篭っている
『新しく入ってくれた一年生の日向君と影山君ですよ!!』