第7章 *戻ってきた仲間
菅原side
そのまま旭のいるクラスに2人で向かうけどヒソヒソと周りから声がきこえてくる
「あれが噂のバレー部のマネージャーか」
「あ〜まじでタイプ」
これ、もし付き合ったとしても心配尽きないだろうな
『あの〜東峰旭さんいますか?』
そんなことをぼーっと考えてたらいつの間にか花澄ちゃんが3組の教室へ顔を出していた
話しかけられた男子は頬を赤くして中へ入って行く
暫くして旭が教室からでてくる
「やっぱり‥花澄ちゃんか 呼びにきたやつが天使みたいに可愛い子が来たって騒いでたわ」
花澄ちゃんのうしろから顔を出す
「‥スガか 話すの久しぶりだな なんか‥変な感じだな」
少し困ったように頬を掻きながら俺の方へ歩いてくる旭
俺は普通に話をしにきたんじゃない
「‥たのむ 戻ってくれよ旭 西谷ももう部活禁止が解けて戻ってくるんだ」
『東峰さん‥私からもお願いします‥夕も旭さんが戻って来てくれるの待ってます‥』
「ははっ‥女の子にそんな悲しい顔されると困ったな‥
でも‥そうか、良かった‥西谷が後ろにいてくれれば心強いもんな〜」
「お前だってそうだよ!お前がトスを呼ぶだけで皆心強く思ってるよ!」
どこか遠い目をして旭が話すからつい大声をだしてしまう
それでも旭の心は動かないらしい
「‥気持ちは嬉しいけど‥俺が戻ってもまた皆の足を引っ張っちまう」
悲しい顔をして笑う旭の目の前に花澄ちゃんが立って
大きな目に涙をいっぱい溜めて話し出す
『東峰さん‥そんな事言わないでください‥何度も何度も東峰さんの存在が烏野を救ってくれたじゃないですか‥』
「こ‥困ったな〜泣かないでっ!花澄ちゃんが泣くと俺どうしていいかわかんなくなっちゃうから」
優しい顔をして花澄ちゃんの頭を旭が撫でると
大きな目から涙がポロポロと零れ落ちる
俺たちを支えてくれたマネージャーを泣かせるんじゃないよ
説得する為に俺も一歩前へ踏み出す
「‥今 チームは確実に変わってるんだ 悔しいけど‥一年にすごいセッターが入って来た それにー
最強の囮がいるんだ もうお前にばっかり負担がかかったりしないんだ‥!」
だから頼む‥
戻ってきてくれよ
旭