第7章 *戻ってきた仲間
夕を呼ぼうとした時だった
いつのまにか私を追い越した日向君が夕に話しかける
「レシーブ教えてください!」
「ニシヤさん リベロですよね!?守備専門の‥」
日向君は純粋な目をしている
「ニシノヤだ なんで俺がリベロだって思う?小っちぇえからか?」
夕が振り向いて問いかけると名前を間違えた日向君は慌てて謝るけれど
キョトンとした顔をして返事をする
「えっ?いや レシーブが上手いから‥だってリベロは小さいからやるポジションじゃなくて レシーブが上手いからやれるポジションでしょ? あっですよねっ?」
私も日向君に駆け寄って同意する
『そうそう!夕はとーっってもレシーブが上手なの!』
「!花澄‥」
私を見た後日向君の方を向いて夕がちょっと照れたように話す
「お前‥よくわかってんじゃねーか」
すると日向君がさらに続ける
「あと主将が守護神って言ってたし」
私も嬉しくなって日向君の両手を掴む
『うんうん!夕は烏野の守護神なんだよ!』
夕がソワソワしながら頭を掻く
「守っ!?な、そん なんだソレ そんな大げさな呼び方されたって 俺は別にっ」
そう言いながらも少し沈黙した後夕が真剣な顔をして聞き返してくる
「ホントに言ってた?」
私は日向君と両手を掴み合ったままうんうんと2人で頷く
『大地言ってたよね?』
「はい!言ってました!」
あせあせと夕が照れながら何か話している
「そんなカッコイイ名前で呼んだってなァー俺はなァーそう簡単にはなァーチクショー 大地さんめえええ
そしてお前はいつまで花澄と手を繋いでんだよォー!」
日向君は気にせずに続ける
「おれ‥まだレシーブへたくそで‥バレーボールで一番大事なトコなのに‥」
悔しそうな顔をしている
青城戦の事思い出してるのかな‥?
「だからレシーブ教えてください!西ー‥西谷先輩!!」
日向君がお願いすると
夕が突然すごい顔をして固まる
あれ?夕どうしたのかな?
覗き込むと私の肩に手を置いてゆらりと立ち上がる
「‥お前‥練習の後で‥ガリガリ君奢ってやる‥そして花澄も相変わらず可愛いから好きなアイス買ってやる‥」
「『えっ?!』」
「なんつっても俺は先輩だからな!!」
日向君と目を輝かせる