第7章 *戻ってきた仲間
翌日
遅くなっちゃった‥!
いつもなら授業が終わったらすぐに部活に向かうんだけど
今日は終わってから先生に呼び止められて遅くなってしまった
急いでジャージに着替えてパタパタと走っていく
『もう来てるかな‥』
ドキドキとした気持ちで体育館へ向かっていると後ろから声を掛けられる
「花澄ちゃん!」
『潔子さん!一緒にいきましょ!』
「うん!いこっか!」
今日も綺麗な潔子さんにほわほわとしながら2人で歩いていくと
なんだか体育館が騒がしい
『遅くなりました〜!』
挨拶しながら中へ入ると
「あ!」
突然大きな声が聞こえたと思うとすごい勢いで夕が走ってくる
「花澄〜!会いたかったぜ〜!潔子さんまで!」
ギュッと私に抱きついた夕を私も抱き締める
『教室では会ってるけどね!おかえり夕!』
「「「「はぁ?!!!」」」」
他の部員たちが声をあげる
次の瞬間潔子さんが夕をビンタする
『へっ?!潔子さん?!』
潔子さんにビンタされた夕は龍や大地、菅原さんによって私から引き剥がされる
「相変わらずの護衛だな‥まぁ潔子さんにビンタされるのは悪くない!」
夕は大して気にせず続ける
「‥で 旭さんは?戻ってますか?」
夕の一言に影山君と日向君ははてなを浮かべている
『東峰さんは‥』
しゅんと俯くと隣で菅原さんも黙り込む
暫くの沈黙の後 大地が口を開く
「‥ ‥いや。」
「!!」
夕の空気が変わったのがわかる
「ーあの根性なし‥!!」
「!こらノヤ!エースをそんな風に言うんじゃねえ!」
龍がその言葉に反応する
「うるせえ!根性なしは根性なしだ!」
ドタドタと夕が体育館の扉へと向かう
「前にも言った通り 旭さんが戻んないなら俺も戻んねえ!」
バァン!と扉を閉めて出ていってしまった
『出ていっちゃった‥』
どうしよう‥追いかけなくちゃ!
『わたしっ呼んでくるっ!』
夕の後を追いかけて体育館を飛び出す
「あっ待て花澄っ!!」
大地の止める声が聞こえる
夕のいないバレー部は寂しかった
またいなくなるなんて嫌だから
少し離れたところに夕を見つけて駆け寄ろうとする