第6章 初めての恋 嫉妬
俯いていると背後に月島君の気配を感じる
「ほんっとうにもうこんな危ない事はやめてくださいね?嫌とかそういう問題じゃありませんから。誰が入ってくるか分からないところで、僕だったから良かったものの」
月島君が怒ってるのがわかる
『うん‥ごめんなさい‥気をつけます‥』
「じゃあ、失礼しますね?」
髪の毛をそっとよけて
ぎこちない手つきでホックをとめてくれる
良かった‥助かった‥!
ホッとしていると咳払いが聞こえる
「あの‥早く服着てもらえますか?僕も男なんで、これ以上は我慢できませんよ?」
待たせてしまって怒っているのかもしれない
『そっそうだよね!遅くてごめんね!すぐ着るね!』
あわててキャミソールと体操服を着て振り向く
『どうしようかと思ったけれどとっても助かったよ〜!月島君本当にありがとう〜!』
お礼を言って倉庫から出る為に歩き出そうとするけれど前に月島君が立ちはだかっていて通れない
『月島君?』
「花澄さんって前から思ってましたけど、本当に無防備すぎますよね?」
『それはよく言われるんだけど‥正直どうしたらいいかよく分からないの』
「無自覚って本当タチが悪いですね」
そしてそのまま手首を掴まれる
「この間バスで影山と横に座ってましたよね?2人でこそこそと顔近づけて何話してたんですか?最後は寄り添って寝てるし‥手まで繋がれてたの気付いてました?」
急に早口で問い詰められる
『え‥と影山くんに及川さんと付き合ってるのか聞かれて‥それで、気付いたら寝ちゃってて!もたれかかって寝ちゃってたみたいだから重かったよねって謝って‥それで‥手は繋いでなかったと思うよ?』
「そういえば及川さんの言葉も気になってたんです。付き合ってないならいいですけど家にあげたっていうのは本当ですか?」
背の高い月島君が腰を屈めて私の顔を覗き込む
『えっと‥それは本当です‥私の看病にきてくれました‥』
「看病?!なんか色々ツッコミどころはありますが‥またそれはゆっくり聞きましょうか?」
そういうとパッと手を離して倉庫の出口へ歩いて行く
「あんまり長くいると怪しまれますから、でましょうか」
月島君に促されて外へ出る
『影山くん?!』
外へ出た途端に影山君と鉢合わせる