第6章 初めての恋 嫉妬
影山side
少しキョトンとした顔をした後に話し出す
付き合ってないよという白石先輩
「それで、及川さんがどうつながるんですか?」
早く先が知りたくてさらに体を乗り出して問い詰めると先輩の目が泳ぎ出す
『私の両親海外にいるからいつも看病はお兄ちゃんがしてくれるんだけどその日はお仕事で遅くなるってお兄ちゃんのお友達に看病を頼んでくれたみたいなんだけど‥そのお友達が来れなくって代わりにお友達の弟さんの及川さんが看病にきてくれたの』
看病って‥部屋に2人きり?!先輩のパジャマ姿‥
見たんだ‥及川さん
「!?じゃあ‥白石先輩の部屋に2人きりだったって事ですよね?」
『そう‥だね‥及川さんと私だけだったよ?』
はぁ‥ついため息が漏れてしまう
「それで、及川さんに何かされたりしませんでした?」
『な‥何かって?ご飯たべさせてもらったりしただけだよ??』
及川さん、手出すの早そうだけど何もされてないみたいでひとまずそこは安心だな
まだ一つ気になることがある
「じゃあ‥デートっていうのは?カバンに及川さんとお揃いのキーホルダーつけてますよね?」
『デートっていうのは、その時看病してもらったお礼は何がいいか聞いたらデートがいいって及川さんが言ったから、その‥2人でお出掛けしてカフェに行っただけなの!キーホルダーもその時にプレゼントしてくれて‥』
なんだ‥良かった
勢いに任せて俺ともデートしてくれるか聞いてみる
更に顔を近づけると肌の白い先輩の頬と耳が赤くなって可愛い
『デート?お出掛けのことかな?影山君が良かったら私は全然いいよ?』
よっしゃ!心の中でガッツポーズする
その勢いで連絡先まで教えてもらう事に成功する
あと‥名前
日向や月島ですら下の名前で呼んでたから俺も名前で呼びたかった
連絡先を交換するとさっきまでソワソワしてた先輩がいつものふにゃっとした笑顔になる
嬉しさに浸って携帯の画面を眺めていると急に肩に感じる重みと温もり
「ーっ!!」
眠ってしまった先輩がこてんと俺にもたれかかっている
そして猫のように擦り寄ってくる
すぅすぅと聞こえる寝息、柔らかい感触と近付く距離
ね、寝れねぇ
どさくさに紛れてそっと先輩の手に手を重ねる
まさか見られているとも知らずに