第6章 初めての恋 嫉妬
影山side
2人のカバンに揺れるお揃いのバレーボールのキーホルダーを見付ける
もしかして既に2人は付き合ってたのか?!
そして及川さんは最後に爆弾発言をしてその場を去った
「そうそう、この間のデート楽しかったね?また行こうね!お家もまた遊びに行かせてね〜」
デート?家?
家に遊びに行くってもうそういう事だよな?
頭を殴られたような衝撃
まさかもう白石先輩は及川さんのものなのか?
そこからはもうその事で頭がいっぱいだった
事実を確かめたくて仕方がない
直接聞いてしまいたい
そんな俺に絶好のチャンスが訪れる
最初にバスに乗り込んだ白石先輩の横が空いている
先輩に続き2番目に乗り込みさっと横に乗り込む
清水先輩だと思ったのか
『潔子さん!早かったですね?!』と言いながらこちらに振り向く
『影山君?私の隣でいいの?!』
いいんです
というか隣がいいんです
「はぁっ?!影山?!抜け駆けずるいぞ?!」
ぼけ日向が指差してこっちに歩いてくるから
皆んなにバレてしまう
「くそ〜!まさか影山にやられるとはっ!」
菅原さんの声が聞こえる
ここはもう寝たふりで突き通そうと決めて目を閉じる
「清水なら仕方ないと思ったけど影山にとられるのはまさかだったな〜」
皆本当は白石先輩の隣狙ってたんだな
隣に座れてよかった
バスが出発する
俺が寝ていると思っている先輩が
ふふと小さく笑う声が聞こえる
『おやすみ
影山君』
しばらく経つと周りも静かになり皆んな寝静まったことがわかる
今なら話せる、そう思って隣をみると大きな目をとろんとさせている
眠たそうな先輩と目が合った
『目覚めた?』
周りを起こさないように小さな声で話しかけてくる
「起きてますよ それより、一つ聞いてもいいですか?」
『いいよ?私で分かることだったら何でも聞いてね?』
俺の小さな声を聞き逃さないように俺に密着してくるからドキッとする
知りたくないけど、聞かないとな‥
「‥及川さんと付き合ってるんですか?キーホルダーお揃いでしたよね?それにデートって‥白石先輩の家にも入れたんですか?」
思い切って聞いてみると
『へ?』
と先輩が気の抜けた声を出す
ん?俺変な事聞いたか?