第6章 初めての恋 嫉妬
影山side
今日は青城高校との練習試合
日向との攻撃がどこまでうまくいくのか試してみたいし練習試合は楽しみだ
でも少し気分が晴れない理由はただ一つ
いつもは烏野のコートにいてくれる白石先輩が青城のコートにいて青城の部員のサポートをしているから
相変わらず小さい体でよく動いて頑張っている
あんな可愛いんだから仕方ないが次から次へと声を掛けられているようで気が気でない
気にしないように自分に言い聞かせる
『みんな!すごかったね!勝ったね!』
試合が終わって嬉しそうにぴょんぴょん跳ねながら笑顔で走ってくる先輩
それだけで随分可愛い、抱きしめてみたい
「なーなー!なんかめっちゃ声掛けられてなかった?!口説かれたりした?!大丈夫?!最後コートの端で何話してたの?!」
早速菅原さんに肩を抱かれている
『くどかれる?大丈夫でしたよ〜!みんなとってもいい人達でした!最後は‥何か諦めない!って言われました!』
絶対口説かれてますよ‥全然気付いてないみたいだし
出来れば他校のマネージャーなんてもうしないで欲しい
俺の彼女でもなんでもないのに独占欲が溢れ出る
先生からの話を聞いてみんなでバスへ向かって歩いていると及川さんが走ってくる
「なおちゃーーーん!」
気付くと及川さんが白石先輩をギュッと抱きしめている
は?!
小さな先輩は抜け出そうともがいているが及川さんはビクともしていない
早く白石先輩から手を離して欲しい
でも行動に移すことが出来ずただ及川さんを睨みつける
「うちのマネージャーが困ってるんで、離してもらってもいいですか?」
主将が言うと及川さんはようやく手を離す
「はいはい!いきなりごめんね〜!相変わらず可愛くってつい抱きしめちゃった!挨拶しにきただけだからそんなに怒んないで?」
パッと及川さんから解放されると同時に主将が先輩の手を引いて俺らの方へ移動させる
もう触れさせたくない
先輩を守るようにして前に立つ
同じ思いだったのか月島や田中さん、山口日向も白石先輩の周りを取り囲む
及川さん、あなたモテるんですよね?
他にも女の子いっぱいいますよね?
白石先輩は俺が初めて好きになった人
俺から先輩を奪わないでください