第6章 初めての恋 嫉妬
なんとか潔子さんのおかげでその場が丸く収まった
「私忘れ物したからとってくるね?」
潔子さんが走って行こうとするので引き留める
『忘れ物なら私とってきますよ?』
走り出そうとすると今度は私が潔子さんに引き留められる
「自分の忘れ物だから大丈夫!パッと行ってくるから!」
潔子さんが颯爽と走り出す
どんくさい私に比べてなんて綺麗なフォームなんだろう
潔子さんの姿を見てると龍が追いかけていく
「ちょっと潔子さんに手出すやついないか心配なんで行ってきます!」
『ありがとう〜!』
潔子さんとっても綺麗だし可愛いから心配だもんね!龍が行ってくれるなら安心!
バスに乗り込んで一番後ろの窓側の席に座る
窓の外をみていると隣に誰かが座った
『潔子さん!早かったですね?!』
てっきり潔子さんかと思ってパッと振り返ると
『影山君?私の隣でいいの?!』
「はぁっ?!影山?!抜け駆けずるいぞ?!」
日向君が指差してこっちに歩いてくる
「うっせぇ日向ぼげ」
疲れたのかそのまま腕を組んで目を閉じる影山君
「くそ〜!まさか影山にやられるとはっ!」
なぜか菅原さんが悔しそうにしている
一瞬月島君とも目が合うけどパッと逸らされる
「清水なら仕方ないと思ったけど影山にとられるのはまさかだったな〜」
大地が笑いながら前の席に腰掛ける
私もまさか影山君が隣に来るなんて思ってもなくてビックリ!
きっと疲れてて席なんかどこでも良かったんだろうな
みんなが乗り込んでバスが出発する
影山君は相変わらず腕を組んで眠っているみたい
よく頑張ったもんね
『おやすみ影山君』
バスが心地よく揺れる
周りのみんなも眠っているみたい
うとうとしていると
さっきまで寝ていたはずの影山君と目が合う
『目覚めた?』
小さな声で問いかける
「起きてますよ それより、一つ聞いてもいいですか?」
影山君も小声で話す
『いいよ?私で分かることだったら何でも聞いてね?』
影山君の方に近付く
少し黙り込んだ後、意を決したように話し出す
「‥及川さんと付き合ってるんですか??キーホルダーお揃いでしたよね?それにデートって‥白石先輩の家にも入れたんですか?」
『へ?』
思ってもなかった質問に気の抜けた声がでてしまう