第5章 vs大王様
及川side
飛雄の目が俺のカバンについているキーホルダーを捉える
目を見開いて花澄ちゃんのカバンと見比べている
よく気付いたね?さすがの観察力だ
そうそう‥お揃いなんだよ
俺たちの仲を存分に疑うといい
そしてそのまま引いてくれよ?
気付くと坊主の彼がオラオラと殺気を放ちながら近付いてくる
そろそろ限界かな?
烏野のキャプテン君が穏やかな口調で、でも隠しきれない嫉妬心が滲み出た声で話しかけてくる
「うちのマネージャーが困ってるんで、そろそろ離してもらってもいいですか?」
パッと手を離すと直ぐに花澄ちゃんは手を引っ張られてたくさんの護衛に囲まれた
彼ら達に伝えたいことを伝える
次は完全の状態で正々堂々と倒す
ちょっとは楽しませてよね?
背の高い彼等達の隙間から不安そうな顔をした花澄ちゃんと目が合う
花澄ちゃんは絶対俺のものにする
同じ高校なだけで羨ましいのに、部活も同じでマネージャーまでしてもらえるなんてなんだかちょっと腹が立つな?
ちょっといじわるしちゃおうかな?
「そうそう、この間のデート楽しかったね?また行こうね!お家もまた遊びに行かせてね〜」
みんなの顔、すんごいな〜笑
これくらいいいよね?
まぁ宣戦布告って事で
烏野のみなさんが花澄ちゃんの事狙ってる事はよーく分かったから俺も負けないよ?
もちろん試合でも負けるつもりないけどね?
ていうかあの皆んなの反応みたら
花澄ちゃんの家に行ったり、二人で出掛けたのって俺だけなんじゃない?と思うと優越感が湧いてきて無意識に鼻歌を歌っていた
「〜♪」
コートに戻ると岩ちゃんに怪訝そうな顔をされる
「どこ行ってたんだよ?てかやけに機嫌いいな?気持ち悪」
「気持ち悪いはひどくない?言い過ぎじゃない?!」
言い返すけれどもう岩ちゃんは聞いちゃいない
「白石さんもお前に好かれて大変だな?まぁあんな可愛くていい子みんなほっとかないよな〜」
岩ちゃんが帰る準備をしながら呟く
え?もしかして岩ちゃんまで?!
もう!!本当に花澄ちゃんの人たらし!
まぁでも相手が誰であれ関係ない
遠慮なくいかせてもらうよ?
とりあえず次のデートの約束をする為に今日の夜また電話してみよっと