第5章 vs大王様
及川side
今日は烏野高校との練習試合
先日足を軽く捻挫してしまったから安静にしてたけどもう大丈夫との事で入念にストレッチをする
花澄ちゃんにいいところみせなきゃなー
なんて思いながら体育館へ向かう
中へ入っていくと女の子達の悲鳴が聞こえてきた
「「「キャーーー!!及川さんーー!!」」」
ありがたい事に女の子達にモテモテなんだけれど
俺が本当にモテたい相手が見当たらない
今日はうちのマネージャーしてくれるって言ってたけどベンチには監督しか見当たらない
烏野のベンチにも見当たらないし
あれ?今日休みなの?
試合が終わって辺りを見渡していると岩ちゃんに声を掛けられる
「何キョロキョロ探してんの?」
「んー?花澄ちゃんいないな〜って」
「あぁ、白石さんならさっきまでいたけどもう烏野の方帰ったぞ??」
はー?!
そんな事聞いてないしっ!
落ち込んでいると横で岩ちゃんが嬉しそうに笑っている
「残念だったなー!連絡先知ってるって言ってたけど嘘じゃねーの?」
「嘘じゃないし!知ってるもんねー!」
岩ちゃんにベーっと舌を出しながら校門に向かう
入り口で待ち伏せしてやろう
暫くすると先頭から花澄ちゃんが歩いてくるのがみえる
あーんな可愛くていい子がマネージャーなんてズルすぎるよね?!
悪戯心が湧いてくる
「花澄ちゃーーーん!」
『及川さん!』
俺に気付いたようで手を振っている
そのまま何か話そうとした花澄ちゃんを自分の胸元へとじこめる
ギュッと抱きしめると柔らかい感触と花澄ちゃんののいい香り
あぁ〜このまま離したくない
花澄ちゃんを堪能していると烏野の面々にすごい顔で睨まれている事に気付く
本当ライバル多すぎでしょ?!
そしてその中の一人に意外な人物を見つける
恋愛には全く興味なさそうな俺の後輩
影山飛雄
自分では気付いてないのかもしれないが完全にあれは嫉妬の目だ
まさかトビオちゃんが恋?!
本当罪な子だよ花澄ちゃん‥
でもごめんねトビオちゃん?
天才の名は譲ってあげるけど
花澄ちゃんだけは譲ってあげないよ?
抱き締める腕の力を強める