第5章 vs大王様
及川side
下心丸見えじゃない?!
しかし全く気付いていない様子の花澄ちゃんはまた可愛い笑顔で
『はい!またケーキ食べに来ますね!』
なんて返事しちゃってる
女の子ばっかりの店内で安心してたけど
油断も隙もないね〜
近付いてサッと肩に手を置いて話しかける
「遅いから及川さん心配しちゃったよー?大丈夫?」
これから俺のものになる予定なんで
手出さないでくださいね?
花澄ちゃんには気付かれないように店員の方に爽やかな笑顔を向けると店員はびっくりしたような顔でこちらをみる
「あっ、お友達の方ですか?ごゆっくりどうぞ〜」
と言うとそそくさと去っていった
『はーい!お仕事がんばってくださいね〜!』
なんて呑気に手を振ってる姿に無意識にため息がでた
『大丈夫ですか?』
俺の顔を心配そうに覗き込んでくる
「大丈夫だよー!さ!ケーキ出来たみたいだし席戻ろっか?」
ケーキのトレイを持って席へ帰る
『お迎えにきてもらってすみません!ケーキとっても美味しそうですね!食べましょう!』
嬉しそうにフォークを手に持っている
生クリームたっぷりのシフォンケーキをすくいとって
そのまま口に入れるかな〜って思ってたら
俺の前に差し出される
「えっ?」
『こないだのお返しです』
ちょっと悪い顔した可愛い笑顔
お返しってなにそれ‥ご褒美でしかないんですけど?
こんな可愛い子がいて
烏野のメンバーはみんな我慢できるの?!
遠慮なく差し出されたケーキを口に含む
『美味しいですか?』
「ん‥美味しい!」
俺がいうとめちゃくちゃ嬉しそうな顔してる
『わー!良かったです!私もいただきます!』
躊躇する事なく
俺が口に入れたフォークでケーキをすくいとり
小さなお口でパクッと食べる
『ん〜!おいひぃ』
間接キスだし
口の横には生クリーム付いてるし
もぐもぐしたほっぺがリスみたいで可愛いし
嬉しそうな笑顔可愛いし
は〜今日誘って良かった
あまりに嬉しそうにケーキを食べる姿に
俺の顔は終始ニヤケっぱなしだったと思う
ずるいな〜烏野の奴ら
「花澄ちゃん、青城でマネしてよ〜!」
『そういえば今度練習試合ですよね?お手伝いしますよ!』