第5章 vs大王様
及川side
真剣にケーキを選んでいる姿もかわいい
何に迷っているのか聞くと全然決められていない様子
「全然絞り込めてないね?!」
ついフッと笑ってしまう
『だって‥どれも美味しそうすぎて決められません‥』
「食いしん坊な花澄ちゃんも可愛いね!全部は流石に無理だけどさ、3つ頼んで一緒に分けよっか?」
そう言うとパァッと嬉しそうな表情にかわる
そんな顔されたら全部食べさせてあげたくなるな〜
『3つ何がいいですか?及川さんの食べたいもの選んでください!』
メニュー表をこちらに差し出して来る
「俺はさっき花澄ちゃんが言ったやつならどれでも食べたかったから3つ選んでいいよ?」
『いいんですか?!ありがとうございます!じゃあ、看病してもらったお礼という事でこれはご馳走させてください!』
ガタッと立ち上がったかと思うと止める暇もなく注文口の方へと歩いて行ってしまった
大丈夫かな‥?
席で座って待っていると2人組の女子に話しかけられる
「あの‥青葉城西の及川さんですよね?!私達試合でみてファンになりました!」
ありがとうと笑顔で手を振るけれど
何となく女の子といるところを花澄ちゃんに見られたくなくてソワソワしてしまう
「さっき一緒にいた女の人ってもしかして彼女ですか?」
1人の子がもじもじとしながら聞いて来る
「そうだよ〜!って言いたいところなんだけどね!まだなんだよね〜まぁいつかその予定かな?」
ニコッと笑って答える
「そっそうでしたか!すみません!これからも応援しています!」
そのまま2人は帰って行った
連絡先とか聞かれたらどうしようかと思ったけど
ホッと胸を撫で下ろす
ってそれにしても遅くないか?
心配になって様子を見に行くと
ケーキの受け渡し口でどうやら店員らしき男の人に話しかけられている
「お友達と来られてるんですか?甘いものお好きなんですね?」
にこやかに話しかける男性
『はい!そうなんです!甘いもの大好きです〜!』
「お友達ですか!楽しんでくださいね?僕いつも日曜日のこの時間には働いてるんで、また食べに来てくれます?」
友達と聞くとホッとしたような顔をしている