第1章 プロローグ 入学式
大地side
余裕なフリをしたくて花澄を気遣う言葉をかける
『うん!!!ありがとう!!さすが大地だね!力が強くて頼りになるね!』とまた破壊力抜群の笑顔で返してくる
明日からの学校生活が心配だ。。。
俺が同級生なら良かったのに。彼氏でもないから堂々と牽制する事も出来ない
本当はすぐにでも告白して彼女にしたい
でももし断られて
この今の関係すらなくなったら?と考えると怖くて出来ずにいる
ヒラッと花澄のカバンから何かが落ちた
拾い上げてみると部活の勧誘のチラシだった
『あ!ごめんね!拾ってくれてありがとう!!バレー部のマネージャーになるからって言ったんだけどね、みんなぜひきて欲しいって一生懸命誘ってくれてね!マネージャーが足りてないのかな〜??』
とカバンから次々にチラシがでてくる
サッカー部に野球部、陸上部にバスケ部卓球部、、ご丁寧に携帯の番号が書いてあるものまである
押しに弱い花澄の事だ、先に誘ってなかったら他の部活のマネージャーになってしまっていたかもしれない
そこは良かったと心底ホッとした
これからは花澄もバレー部の一員として毎日来てくれるんだ
そう思うとより一層練習が頑張れる気がした
『せっかく誘ってくれたのにごめんなさいってお電話しなきゃ、、』
と言い出すので慌てて花澄の両肩を掴んでこちらを向かせる
「知らない男の人にホイホイと電話したらいけません!!男は何考えてるか分かんないんだから!そもそも、、」とお説教を始めようとすると
くすりと花澄が笑った
『大地は心配性のお父さんみたいだね!大丈夫だよ〜みんないい人だったよ!』
と目尻の下がった目でこちらを見つめる
「俺はお父さんじゃなくて、男としてみてもらいたいんだけどな〜」とつい本音が漏れる
『?みてるよ?大地は男の子って知ってるよ?』とキョトンとした顔で首を傾げている
不意にドキッとしたが
そういう意味で言ってるんじゃないんだよな。。。
花澄は昔から天然で鈍感で心配になるほどピュアで、、、
「そうだな!知ってたな!花澄はずっとそのままでいてくれよ!」と笑った
そんな俺につられてまたふにゃっと笑う花澄の小さな可愛い手を先程のどさくさに紛れて繋いで帰った