第1章 プロローグ 入学式
大地side
今日は入学式終わりの花澄を迎えに行く約束をしていた
少し準備に手間取ってしまい早歩きで学校へと向かう
あいつきっと男女ともにモテモテなんだろうな
友達が出来るか心配してたけど花澄なら絶対大丈夫だろう
人懐っこい性格で誰にでもホイホイついていきそうで、いつか悪い奴らにでもついて行ってしまうんではないかと心配だった
モヤモヤと考えているといつの間にか学校に着いていたが何やら人だかりが出来ている
俺も俺も!と新一年生達が群がっていたが特に気にもせず花澄を探そうと通り過ぎようとした時だった
可愛らしい聞き慣れた声がする
『わ〜!たくさんお友達ができて嬉しい!!えと、、どうしよう??画面見せたらいいのかな??』
しまった
花澄を1人でいさせたらこうなる事が分かっていたはずなのに
急いで近くに駆け寄ると男子達の勢いでバランスを崩した花澄が倒れそうになったので焦って花澄の細い腕を掴む
一体どれだけ人気なんだよ。。。
芸能人でもきてるのかと思ったぞ
パッと顔をあげた花澄は俺をみるなり
『大地!!待ってたよ〜!ありがとう!!』と
ふにゃっとした笑顔でこちらをみる
反則なんだよな〜その笑顔
ほらみろ、周りも固まってるじゃないか
そして羨ましそうに俺のことをみてる
いいだろう、名前で呼んでもらえて
と俺は少し優越感に浸れたがそれも束の間
一体初日から何人の男と連絡先交換してるんだ
あれだけ隙があるから気をつけろって言ったのに
「花澄がお世話になりました!ちょっと疲れてるみたいなんで失礼しますね!!」
早くその場から立ち去りたくて花澄の腕を掴んだまま大股で歩き出す
俺のそんな気も知らずゆったりとしたいつもの口調で
『ありがとう〜!!みんながお友達になりたいって言ってくれてね!でもみんな一気に集まってくるからびっくりしちゃった!』
と話し出す
小さな体で一生懸命にパタパタとついてくるもんだから頬がほんのりと赤く染まっている
見慣れない新しい制服、やっぱり似合ってる
学校からは少し遠くなり周りに誰もいない事を確認して花澄の頭をくしゃっと撫でる
「怪我しなくて良かった!次から気をつけろよ!」